新型コロナウィルスの影響で海外との往来は厳しく制限されていましたが、渡航制限は既に緩和され、海外旅行を計画する方も増えています。
愛煙家にとっては、東南アジア諸国の喫煙・禁煙事情がどのように変化したのか、非常に気になるところだと思います。
特に近年普及が拡大している加熱式タバコに関しては、厳しく使用を制限する国もあります。
この3年間で変化した、東南アジア諸国の喫煙事情(喫煙制限)をお知らせします。
シンガポール編
シンガポールでは、非常に厳しい喫煙制限がなされています。2022年7月1日より、シンガポール政府はタバコ法により細目に渡って禁止事項を制定しています。タバコに関する情報不足から、シンガポール税関でトラブルに巻き込まれる渡航者が絶えません。JALが発する警告文書も合わせて参照してください。
1.空港免税店で購入した免税タバコの持ち込み
空港免税店などで購入したJT製やマルボロなどの紙巻タバコの持ち込みは禁止されています。吸い掛けの1箱だけでも、持ち込みが発覚すれば罰金対象になります。シンガポール入国前に全て廃棄することをお勧めします。
シンガポールの免税情報は、こちらを参照してください。
2.加熱式タバコ・電子タバコの持ち込み
アイコスやプルームXなど加熱式タバコや電子タバコは、所持も持ち込みも禁止されています。こちらも所持・持ち込みが発覚すれば罰金対象になります。シンガポールへ渡航する際は、電子タバコの機材本体ごと自宅に置いていくようにしましょう。
3.シンガポールでタバコは吸えるのか
さすがに厳しいシンガポールの喫煙事情ですが、タバコは吸えます。喫煙の条件は下記の通りです。
- シンガポール国内で販売されている「SDPC」という納税証明書付きのタバコをコンビニなどで購入する。
- 明確に「喫煙場所」と表示された、灰皿が設置された屋外の喫煙施設を利用する。(屋内は原則全て禁煙です)シンガポールでは、全ての公共の公園や庭園・レクリエーションビーチなどが、屋外であっても禁煙指定になっています。もちろん、歩きタバコなどは論外の行為になりますので、注意してください。
タイ編
タイでは屋内(ホテル・レストラン・商業施設・公共施設等)は全て禁煙になっています。屋内で喫煙が発覚した場合は、罰金対象になります。また、数あるリゾートのビーチエリアも禁煙地域に指定されています。喫煙者が多い日本人や中国人・韓国人は、特に警察に目を付けられやすいので、注意してください。
1.空港免税店で購入した免税タバコの持ち込み
JT製タバコやマルボロなど、空港免税店で購入した紙巻タバコは1カートン(200本)までは免税で持ち込み可能です。タイでは、1カートン以上のタバコを持ち込むことができません。2カートン目以降のタバコの持ち込みが発覚した場合は、罰金が科せられた上で税関で没収されます。
タイの免税情報については、こちらを参照してください。
2.加熱式タバコ・電子タバコの持ち込み
タイでは、2014年からアイコスやプルームXなど加熱式タバコや電子タバコの所持も持ち込みも禁止されています。所持・持ち込みが発覚すれば罰金対象になります。タイ警察も加熱式タバコに関しては、重点的に日本人をマークしている感があります。違反者が多く、容易に罰金が取れるからです。タイでは加熱式タバコの所持が発覚した場合、最高で10年の懲役もしくは50万バーツ(約200万円!)の罰金が科せられます。くれぐれも注意してください。タイへ渡航する際は、電子タバコの機材本体ごと自宅に置いていくようにしてください。
フィリピン編
ドゥテルテ前大統領の時代に、フィリピンでも禁煙条例がかなり厳格化されました。原則として、公共の場所(ホテル・レストラン・ショッピングモール・公共の施設等)は禁煙です。路上での歩きタバコも含め、警察に指摘された場合は罰金の対象になります。電子タバコも紙巻タバコと同等の扱いとなります。喫煙する場合は、灰皿が設置してある喫煙コーナーを探してください。
1.空港免税店で購入した免税タバコの持ち込み
JT製タバコやマルボロなど、空港免税店で購入したタバコは2カートン(400本)までは免税で持ち込み可能です。
フィリピンの免税情報はこちらを参照してください。
2.加熱式タバコ・電子タバコの持ち込み
フィリピンでは、アイコスやプルームXなど加熱式タバコの本体機材とタバコ葉の部分の所持および持ち込みは可能です。ただし、VAPE(電子タバコ・リキッドタイプ)は、持ち込みが禁止されています。
インドネシア編
インドネシアは、男性の7割が喫煙者と言われる喫煙大国です。他の東南アジア諸国と比べると、喫煙に関する制限がかなり緩い国になります。それでも、公共交通機関や医療機関・教育施設・礼拝所などでは、喫煙が禁止されています。
1.空港免税店で購入した免税タバコの持ち込み
JT製タバコやマルボロなど、空港免税店で購入したタバコは1カートン(200本)までは免税で持ち込み可能です。
インドネシアの免税情報はこちらを参照してください。
2.加熱式タバコ・電子タバコの持ち込み
インドネシアでは、加熱式タバコ・電子タバコに関しての所持および持ち込み制限はありません。
マレーシア編
マレーシアでは、2019年1月1日より法律が改定され、全ての飲食店・ショッピングセンター・公共施設・宗教施設などが全面的に禁煙となりました。喫煙が発覚した場合は、最高1万リンギット(約31万円)の罰金または2年以下の懲役に処せられます。紙巻タバコのみならず、加熱式タバコ・電子タバコも同様の処罰を受けます。
1.空港免税店で購入した免税タバコの持ち込み
マレーシア政府は、2021年7月1日以降マレーシアへ入国する旅客の免税品目からタバコを除外しました。つまり、種類を問わずいかなる形のタバコも課税対象となります。ただ、マレーシア税関の資料を見ても具体的な課税額に関しての記載はないため、課税額は不明です。マレーシア税関の情報(英語版)はこちらを参照してください。課税はされるものの、紙巻タバコ・加熱式タバコ・電子タバコ共に持ち込みは可能です。
マレーシアの免税情報はこちらを参照してください。
2.加熱式タバコ・電子タバコの持ち込み
マレーシアでは、加熱式タバコ・電子タバコに関しての所持および持ち込み制限はありません。
ベトナム編
ベトナムは、喫煙に関しては相当緩い国になります。レストランでの喫煙や市街地での歩きタバコも普通に行われています。
1.空港免税店で購入した免税タバコの持ち込み
JT製タバコやマルボロなど、空港免税店で購入した紙巻タバコは1カートン(200本)までは免税で持ち込み可能です。
ベトナムの免税情報はこちらを参照してください。
2.加熱式タバコ・電子タバコの持ち込み
ベトナムでは、加熱式タバコ・電子タバコに関しての所持および持ち込み制限はありません。
カンボジア編
カンボジアは、国として健康増進のために加熱式タバコ・電子タバコの使用を禁止するなど、喫煙に関する制限を厳しくしています。しかし、取り締まり自体はかなり緩い様子で、今後の政府の動向が気になります。
1.空港免税店で購入した免税タバコの持ち込み
JT製タバコやマルボロなど、空港免税店で購入した紙巻タバコは1カートン(200本)までは免税で持ち込み可能です。
カンボジアの免税情報は、こちらを参照してください。
2.加熱式タバコ・電子タバコの持ち込み
カンボジア保健省は、加熱式タバコ・電子タバコ・水タバコなどの使用を全面的に禁止しています。ただし、在シェムリアップの現地旅行会社に事情を聞くと、シンガポールやタイのように厳しい取り締まりが行われている様子は、今のところないとのことでした。カンボジアにおける電子タバコ事情に関しては、情報が不足しています。追って情報は追加する予定です。