ニノイ・アキノ・マニラ国際空港 (NAIA)
ニノイ・アキノ・マニラ国際空港(Ninoy Aquino International Airport, NAIA)は、フィリピンの首都マニラにある主要な国際空港で、フィリピン国内外からの航空旅行の中心的なハブ空港として機能しています。
空港はマニラ市内から約7キロメートル南に位置し、フィリピンの空港の中でも最も利用者が多い空港です。
しかし、恐らく世界でも有数の不便な空港です。特にターミナル間の移動手段が貧弱で、ターミナルをまたぐ飛行機の乗り継ぎには非常に神経を使います。
受け入れ能力をはるかに超えた飛行機の便数、運行時間の全く読めない空港シャトルバス、移動を阻害する空港エリアの道路の大渋滞、時間帯によっては大混雑する出国審査場(特にターミナル3)など改善しなければならない問題が山積しています。
空港の歴史
ニノイ・アキノ・マニラ国際空港は、1937年に設立された旧「マニラ国際空港」として開港し、1980年に現在の名称に改称されました。名前は、フィリピンの政治家であり反独裁運動の指導者であったニノイ・アキノ(Benigno Aquino Jr.)に由来しています。彼は1983年に暗殺され、フィリピンの政治と歴史に深い影響を与えました。
4つのターミナル
ニノイ・アキノ・マニラ国際空港には4つのターミナルがありますが、それぞれのターミナルが独立しています。
ターミナル間の移動には、黄色い車体の空港タクシーもしくはGrabを利用するのが一般的になっています。ターミナル間を結ぶシャトルバスは運行時間が不規則で全く当てになりません。
ターミナル1(T1)
国際線が発着するターミナルで、多くの外国航空会社が利用しています。
しかし、古いターミナルであり、リニューアルや改修が頻繁に行われています。
2023年6月16日からフィリピン航空の全ての国際線発着がターミナル1(T1)に変更になっています。
主な利用航空会社
- 日本航空(JAL)
- ZIPAIR
- フィリピン航空(国際線)
- 大韓航空
- 中華航空
- エミレーツ航空 など
ターミナル2(T2)
フィリピン国内線専用ターミナルで、主にフィリピン航空が使用しています。
比較的新しいターミナルで設備はある程度整っていますが、店舗やフードコーナーはみな小規模です。
主な利用航空会社
- フィリピン航空(国内線)
- エアアジアフィリピン(国内線)
ターミナル3(T3)
主要な国際線と国内線の両方が利用できるターミナルです。早朝から深夜まで常に混雑しています。
広い施設と充実したショップ、レストランが特徴で、多くの航空会社がここから運航しています。
ターミナル3国際線エリアは、出国審査(Immigration)からセキュリティ検査までの導線が非常に短かく、絶えず行列ができています。ここで結構時間がかかるケースが見受けられますので、余裕を持ってチェックイン手続きを済ませてください。
また、ターミナル3到着フロア(1階)にはこの空港では珍しく「喫煙所」が設けられています。
(ターミナル1およびターミナル2の到着階には喫煙所がありません)
主な利用航空会社
- 全日空(ANA)
- セブパシフィック航空(国際線・国内線の両方)
- エアアジアフィリピン(国際線)
- ジェットスター など
ターミナル4(T4)
主にローコストキャリア(LCC)の利用が多いターミナルで、短距離の国内線が中心です。
主な利用航空会社
- セブゴー
- エアスイフト
- エアアジア(一部国内線路線)
交通アクセス
空港へのアクセスは、タクシー、Grab、バス、ホテルのシャトルサービスなどが利用できます。鉄道駅はありません。
また、空港周辺には多くのホテルがあり、旅行者の滞在にも便利です。
施設とサービス
空港内には、飲食店、免税店、ラウンジ、ビジネスセンター、Wi-Fiサービスなど、さまざまな施設とサービスが提供されています。旅行者の快適な移動をサポートするため、便利なサービスが整っています。
近年の課題と改善
ニノイ・アキノ・マニラ国際空港は、混雑や老朽化した施設、常態化した遅延などの課題を抱えています。これに対処するため、政府は空港の改修や拡張計画を進めており、新しいターミナルの建設や既存の施設の改善が行われています。特に、2020年代に入ってからは、空港の混雑緩和とサービス向上を目指すプロジェクトが進行しています。
ニノイ・アキノ・マニラ国際空港はフィリピンへの入口であり、旅行者にとって重要な拠点です。その利便性とサービスの向上が期待されている国際空港ですが、現在は世界でも屈指の不便な空港として有名です。